雇入れ日が公休日である場合の被保険者資格取得日の取扱いについて
厚生年金保険をはじめとした社会保険の取扱いは、法令や通達等により定められていますが、実務を進める上では、その判断に迷うことが少なくありません。日本年金機構より社会保険の取り扱い業務に際して、法令、諸規程等の解釈又は取扱方法が不明確なときに発生する疑義に対して、各年金事務所等から本部に寄せられた内容とその回答が公表されています。社会保険事務において参考になる内容ですので、ポイントを押さえておくことが重要です。疑義照会と回答の内容は、次のとおりです。
文書作成日:2023.05.06
入れ日が公休日である場合の被保険者資格取得日の取扱いについ て
適用マニュアルⅡ-1-5において、「事実上使用関係が発生した日が資格取得の日となる」とされているが、以下の事例について資格取
得日をA・B案のいずれにすべきか、ご教示願います。【事例】
給与支払体系 日給
雇用契約開始日 平成24年4月1日 (日曜日)
勤務開始日 平成24年4月2日
(月曜日)
当該事業所の公休日 土曜日・日曜日
※ 当該事業所においては、本来、雇用契約開始日と勤務開始日が同日となるが、この事例では、雇用契約開始日が公休日に該当したため勤務開始日がずれている。【A案】
報酬の支払いの対象となった初日に事実上使用関係が発生したと考え、平成24年4月2日とする。【B案】
偶然、雇用契約開始日が公休日に該当したのであって、公休日でなければ雇用契約開始日から勤務するのであるから、事実上使用関係が発生した日は平成24年4月1日とする。ご照会の事例においては、資格取得日は、平成24年4月1日となります。健康保険法・厚生年金保険法では、適用事業所に使用される日が資格取得日となりますが、この使用される日とは、事実上の使用関係が発生した日として取扱い、資格取得日を決定しているところです。
通常、雇用契約開始日は、勤務開始日と一致し、その日に事実上の使用関係が発生すると考えられますが、一致しない場合においては、報酬の支給開始を参考に事実上の使用関係が発生した日を決定します。
事務手続きにおいて示しているのは、月給制の場合、月の勤務日数に関わらず、報酬は一定の金額となるところ、勤務開始前の期間の報酬が控除されるのであれば、労務の提供が開始され報酬支払の対象期間の初日が、事実上の使用関係の発生日とするのが妥当という例です。
しかしながら、日給制においては、公休日は、労務の提供がなく報酬の支払いがないのは当然であり、公休日でなければ雇用契約開始日が勤務開始日と一致すると想定されることから、事実上の使用関係の発生日は、雇用契約開始日となります。
※文書作成日時点での法令及び日本年金機構から公表された内容となっております。<免責事項について>
日本年金機構公表の疑義照会と回答
- 2月以内の期間を定めて使用される者の被保険者資格について|被保険者 資格取得届
- 所定の期間を超え、引き続き使用される者の適用除外について|被保険者 資格取得届
- 法人の代表者の被保険者資格について|被保険者 資格取得届
- 雇入れ日が公休日である場合の被保険者資格取得日の取扱いについて|被保険者 資格取得届
- 最低賃金法適用除外者等に係る対応について|被保険者 資格取得届
- 報酬の範囲について(大入袋の取扱い)
- 報酬の範囲について(ガソリン代)
- 報酬及び賞与の範囲(財形奨励金)について
- 扶養認定日について
- 夫婦共同扶養の場合の被扶養者の認定について
- 自営業者等収入がある者の健康保険被扶養者の認定について
- 被扶養者認定の際の収入について
- 給与計算期間途中の昇給に伴う月額変更届の取扱い
- 2つ以上の固定的賃金が変動した場合の月額変更届について
- 事前確定届出給与について
- 確定拠出年金に係る報酬月額変更について
- 時間給制の被保険者の勤務時間の変更と随時改定について
- 標準報酬月額変更の該当要件について(懲戒処分)
- 短時間勤務に係る随時改定について