ティーエムピー
ワールドワイド事件
(東京地判 H22.9.14)

使用者の不法行為(一般の不法行為)
責任が問われた裁判例

事案の概要
Xは、勤務先Yの正社員として一般事務等に従事していたが、身体、精神の障害により業務に耐えられないことなどを理由として解雇された。Xは、Yの社長Cや上司Dによる集団的いじめや嫌がらせを受けて多大な精神的苦痛を被ったたなどとして、①不法行為に基づく損害賠償の支払い、②雇用契約上の地位確認等を求めた。
結果
請求棄却。
判旨の概要
Xは、書類をファイルする場所を間違える事などが多く、電話対応にも助言を必要とすることが多かったため、CはXに対し、日報を作成させ、業務の反省点、改善点を報告させた。この点について、Xは、日報にどんな些細なことでも反省点を記載しなければ叱責されるため、不合理な自己批判を強制されたと主張しているが、Xが日報に反省点を記載しなかったことを理由にCから叱責された形跡がうかがわれない。

またCは、仕事に慣れるペースが遅いXに対し、教育指導的観点から少しでも業務遂行能力を身につけさせるために、日報の作成を命じたと考えられ、不合理な自己批判を強制したものではないことは明らかである。

Dは、顧客からXのテレアポの感じが悪いという苦情を受けたことから、Xとテレアポの仕方についてミーティングを行ったところ、Xは、Dからかなり厳しく注意をされたと感じたと主張するが、ミーティングの内容は、声を大きくすること、電話の件数をこなすのではなくアポイントの取得を目指すべきであることなど、苦情に対する改善策として至極もっともなものであり、 Dは、Xの勤務態度について、かなり厳しく注意したことがうかがわれるが、そこにXに対するいじめや嫌がらせの目的は認められない。

したがって、Yの社長や社員による集団的いじめや嫌がらせを受けて多大な精神的苦痛を被ったというXの主張は失当というべきである。

パワーハラスメントの裁判事例

使用者の不法行為(一般の不法行為)
責任が問われた裁判例

東京地方裁判所バンク・オブ・アメリカ・イリノイ事件 
東京地裁 平成7年12月4日判決
東京高等裁判所松蔭学園事件 
東京高裁 平成5年11月12日判決
東京地方裁判所ティーエムピーワールドワイド事件 
東京地裁 平成22年9月14日判決
最高裁判所関西電力事件 
最高裁判所第三小法廷 平成7年9月5日判決

使用者の不法行為(特殊の不法行為:
使用者責任)責任が問われた裁判例

名古屋地方裁判所U福祉会事件 
名古屋地裁 平成17年4月27日判決

        
横浜地方裁判所ダイエー事件 
横浜地裁 平成2年5月29日判決
    

使用者の債務不履行責任(安全配慮義務違反)が問われた裁判例

東京高等裁判所川崎市水道局(いじめ自殺)事件     
東京高裁 平成15年3月25日判決
福岡高等裁判所長崎・海上自衛隊員自殺事件 
福岡高裁 平成20年8月25日判決
埼玉地方裁判所誠昇会北本共済病院事件 
埼玉地裁 平成16年9月24日判決
高松高等裁判所前田建設事件 高松高裁 
平成21年4月23日判決

当事者の責任が問われた裁判例

東京高等裁判所
三井住友海上火災保険上司事件
東京高裁 平成17年4月20日判決
     
大阪高等裁判所
奈良医大アカデミックハラスメント事件 
大阪高裁 平成14年1月29日判決

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