報酬の範囲について
(ガソリン代)
厚生年金保険をはじめとした社会保険の取扱いは、法令や通達等により定められていますが、実務を進める上では、その判断に迷うことが少なくありません。日本年金機構より社会保険の取り扱い業務に際して、法令、諸規程等の解釈又は取扱方法が不明確なときに発生する疑義に対して、各年金事務所等から本部に寄せられた内容とその回答が公表されています。社会保険事務において参考になる内容ですので、ポイントを押さえておくことが重要です。疑義照会と回答の内容は、次のとおりです。
文書作成日:2023.05.06
報酬の範囲について(ガソリン代)
事業所から自家用車で検査に赴く際のガソリン代を、現在は実費支給していますが、通勤手当をなくし、代替としてガソリン代 1km あたりの定額を定め、通勤・出張分を合わせて支給する方法に変更する予定です。
出張に係るキロ数は従業員から報告を求めますが、自宅から直行する場合もあり、この場合は自宅から出張先までの距離を報告します。
私用で使ったガソリン代については支払わない取扱いになっています。通勤手当分と出張旅費分は個別に計算することは可能ですが、給料明細には支給合計のガソリン代のみ計上されます。この場合のガソリン代は報酬としてどのように取り扱うべきでしょうか。(この質問は、既に回答済みの「明確に区分がない場合は、報酬として取り扱うことが妥当」という前提があっての質問です。)
ガソリン代については、目的に区分ない場合や明確に区分されていない場合は、通常の生計に充てられているものとして、「報酬」として取り扱っているところですが、給料明細にガソリン代のみ計上されていても、通勤手当分と出張旅費分が、明確に区分できるのであれば、ガソリン代のうち出張旅費分を差し引いた金額を報酬に含める扱いで差し支えありません。
※文書作成日時点での法令及び日本年金機構から公表された内容となっております。<免責事項について>
日本年金機構公表の疑義照会と回答
- 2月以内の期間を定めて使用される者の被保険者資格について|被保険者 資格取得届
- 所定の期間を超え、引き続き使用される者の適用除外について|被保険者 資格取得届
- 法人の代表者の被保険者資格について|被保険者 資格取得届
- 雇入れ日が公休日である場合の被保険者資格取得日の取扱いについて|被保険者 資格取得届
- 最低賃金法適用除外者等に係る対応について|被保険者 資格取得届
- 報酬の範囲について(大入袋の取扱い)
- 報酬の範囲について(ガソリン代)
- 報酬及び賞与の範囲(財形奨励金)について
- 扶養認定日について
- 夫婦共同扶養の場合の被扶養者の認定について
- 自営業者等収入がある者の健康保険被扶養者の認定について
- 被扶養者認定の際の収入について
- 給与計算期間途中の昇給に伴う月額変更届の取扱い
- 2つ以上の固定的賃金が変動した場合の月額変更届について
- 事前確定届出給与について
- 確定拠出年金に係る報酬月額変更について
- 時間給制の被保険者の勤務時間の変更と随時改定について
- 標準報酬月額変更の該当要件について(懲戒処分)
- 短時間勤務に係る随時改定について